花のきらめき。
写真は、今朝のお庭のピエールドロンサール。お花のパワーをお届けします✨
お花つながりで、私の心に咲くお花の話しを綴りますね。
それは、大好きだった父を亡くした時。 その死をまだ受け入れられないまま、
自分も死んでしまうんではないかと思うほど、途方に暮れて、
駅から、スズラン通りという商店街を実家に向かって歩いているときのこと。
ふと、通りの雰囲気がいつもと違うように感じ、
それまで、泣き顔をみられないようにと、うつむいていた顔をあげて
街の風景に意識を広げてみると、
そこで目の前に飛び込んできたのは、
通りの店先に並べられた、プランターの中から
私を見上げるように咲いている、色とりどりの花たちでした。
泣きながら歩く私に、それぞれの花が、キラキラと輝きながら
「落ち込まないで、上を向いて」と、
一斉に愛とエールを送ってくれているのがわかったのです。
それはまるで悲しみに押しつぶされて、自暴自棄にさえなりそうな、
底のみえない深い海に沈んでいく私の心を、ふわりと抱きかかえ、
水面の向こうでゆらぐ太陽へと向かわせてくれる、優しい波のようでした。
その瞬間、見慣れたスズラン通りは、癒しの道へと変わり、
父を亡くした悲しみの中にいながらも、私は不思議な想いを抱えて、
行き交う人でにぎわう通りを抜け、実家へと向かうことができました。
後日、ゆっくりと考えて思ったことは、
スズラン通りの雑踏を、いつも足早に通り過ぎて気づかなかったけど、
花たちは今までもずっとあんな風にエールを贈ってくれていたのね。
ということ。
それは、最愛の父の死に直面し、深い悲しみの底に沈んでいたからこそ見ることのできた、
花たちの命のきらめきだったのでしょう。
今でも父を思い出すたび、スズラン通りに一列に並び輝いていた花たちの様子が
父の思い出とセットになって心に浮かび、少し寂しくなる私を癒してくれます。
父の事を想うと、同時にパッと胸の奥で明るく花が咲くように。
最近では、私が悲しまないようにという父の思いが見せてくれた風景だったのかな、
などと思う今日このごろです。
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