世の中を変えるキッカケ作りとは
こんにちは。皆さんには、弱者が虐げられる世の中にウンザリすることや、世の中に絶望してしまったという経験はありませんか?会社ではハラスメントが横行し、理不尽な思いを抱えクタクタになって帰宅…加えて流れるニュースは目を覆いたくなるような事件ばかり。
世界に目を向ければ、紛争や貧困、不衛生な環境などにより、毎日罪もない人の命が奪われ、結局しわ寄せがいくのは子供などの弱者。
なんだ、この世の中は…と落胆してしまうこともあるでしょう。
「いやいや、毎日満たされているし、楽しく暮らしているよ。」
そんな方もいらっしゃるかもしれませんね。
今回は、満たされている方にもそうでない方にも、世界各地で静かに浸透しつつある、誰にでもできる、世界中が愛と平和に満たされるアイディアをご紹介していきたいと思います。このアイディアは、世の中を変える可能性を秘めています。
言ってみれば、実験というお気持ちで構いません。心に留め、余裕がある時に実践していただきたいのです。
世の中を変える可能性を秘めたアイディアとは
世の中を変えるなんて、一般庶民には不可能だと思われるかたもいるでしょう。それは、世の中のルールを決める権力のある一握りの人達の仕事だと思うかもしれませんね。ですが、ここで紹介するアイディアは権力や資産など関係ありません。子供でも老人でも、たとえ住む場所がない状況下の人もすぐに始められます。
その方法が「ペイフォワード」です。
ペイフォワードという言葉が世間に認知されたのは、西暦2000年10月にアメリカで公開された映画ペイフォワードがキッカケです。この映画は、1人の少年と彼の置かれた環境にフォーカスして物語が進みます。
ある日、トレバー君という11歳の少年が通う学校で「もし、自分で世界を変えたいと思ったら何をする?」という課題が出されます。そこでトレバー君は「ペイフォワード」というアイディアを提案します。そのアイディアとは、善意を与えてくれた本人に恩を返す代わりに、他の誰か3人に善意を送るというものでした。そして、その3人が9人にペイフォワード…
ペイフォワードは幸せの連鎖が起きるというシステムです。
トレバー君は、これを実践すれば世の中が変わると考えたんですね。ペイフォワードの方法は、笑顔でもいいですし、言葉や態度でもいい。プレゼントや現金でもOK。感謝されたならその気持ちを、他の3人に贈ってほしいと伝えるのみです。ただし、やるもやらないも自由、自分次第です。
トレバー君がこのアイディアを思いついた理由は、彼が見る小さな世界にウンザリしていたからです。トレバー君を取り巻く環境は、お世辞にも恵まれているとはいえないものだったんですね。世の中というよりも、自分の置かれた環境を変えたいという切実な願いだったのでしょう。
トレバー君は1人でぺイフォワードを開始します。
ですが、うまくいきません。
他者を救おうと行動をおこしても救えなかったり、自ら勇気が出ず他者を助け出せなかったりと思うような成果を出せないのです。トレバー君は結局なにをやっても世の中は変わらないと落胆します。ところがトレバー君の知らないところでペイフォワードが広がっており「どうしようもない大人」の心が変化していくという「良いお話」です。
映画ペイフォワードは、単なる綺麗ごとじゃなく、0%じゃない可能性に願いを込めた物語です。機会があればぜひご覧になってください。
ペイフォワードはたんなる理想?
「それは、映画でしょう?単なる理想に過ぎない」
「自分一人が行動を起こしたところで世の中はかわらない」
こんなふうに思われますか?
確かに、映画ペイフォワードの原作は小説であり、実話ではありません。映画は現実から離れて非現実的な世界を楽しむもの。ただし、ペイフォワードに関しては見た人の中に入り込んで、価値観をかえてしまう力があり、今見るべき必然性があると、当時の映画関係者は力を入れたそうです。
当時のアメリカでは$55,707,411の興行収入を挙げましたが、日本では16億円止まりで大ヒットには至らず、「こういう作品がヒットしないのか。所詮、社会はそんなもの」と関係者は落胆したと言います。
ところが、映画ペイフォワードは19年の時を経て、再び注目を集めることになります。そのきっかけとなったのが、2019年から世界中で猛威を振るったウイルスです。ツイッター(X)上には、「こんな時だからこそペイフォワードの精神で」と助け合いを望む声があふれました。また、映画ペイフォワードの魅力を伝える人や自ら行動を起こす人も現れはじめたのです。
さらに、ペイフォワードを掲げてウイルスの猛威と戦い疲弊する医療従事者に支援を展開する企業や、ペイフォワード精神に則り必要とする場所への募金や支援をおこなう団体が動き始めました。ペイフォワードは人間が作り出した良い話にとどまらず、見た人に影響をあたえ静かに浸透しているのです。
ペイフォワードの精神はもともと人のなかにある
ペイフォワードの精神は、江戸時代の日本には既に存在していたようです。日本では「恩送り」という言葉で表され、親切にしてくれた人へ恩を返そうにも方法がない時に、他の誰かへ優しさを送ったのだといいます。
また、福島では以前から、「お互いさまチケット」への取り組みが盛んで、人間同士が助け合える社会を目指しています。お互いさまチケットとは、仮にその場所が食堂だとすると、見知らぬ誰かのために食事券を購入しメッセージを託します。店主はそれをメッセージと共に壁に貼り付けます。掲示されたチケットは、食事を必要とする人が選んで使います。たとえば、ランチのチケットやケーキセットのチケットなど、貼られているチケットの中から選んで使用できるんですね。
出典:お互いさまの街ふくしま https://sites.google.com/view/otagai-sama
「お互いさまチケット」には、恩を受け取ったら別の誰かへ恩を送ってほしい、という願いが込められており、現在では食堂だけでなく美容院や花屋などにも導入されはじめています。
アメリカにも昔からペイフォワードの精神はありました。代金が払えない客には無償で料理を提供し、それを心得ている裕福な客があたりまえのように代金を上乗せして払っていくスタイルのレストランが実在しました。
また、2017年6月18日にはアメリカのマクドナルドのドライブスルーで心温まるペイフォワードが起こりました。この日、一人の女性が後ろのお客さんの代金を支払い、「後ろの男性にHappy Father’s Dayと伝えて」と言って去ったのだとか。この日は父の日だったんですね。このペイフォワードは、閉店まで167台もの後続車に続いたそうです。
ちなみに、料金が不足して払えない人に対しては、お店の従業員が不足分を補いこのペイフォワードに参加しました。また、別の州のドライブスルーでも同様の現象が起こり、善意のバトンが引き継がれています。こうした心温まる話がある一方で「くだらない」「無意味だ」と顔を背けてしまう人もいるでしょう。
誰にでも人の考えに耳を貸せない時や、苦しい時期があるものです。他人から搾取する一方で、誰にも与えない人間が得をするだけという疑念もあるでしょう。長い人生、与える一方の時期、与えられる一方の時期、どちらもあるのが当然です。たとえば、人の善意を受けた経験が極端に少ない人の場合は、人に善意を向けることがはじめはむずかしいかもしれません。
ですけど、気持ちに余裕がある時でいいんです。>
ペイフォワードという言葉を頭の片隅に置いて、自分のタイミングで実行してみませんか?
ペイフォワードが世界に広がる時間
ペイフォワードは、誰でもすぐに始められますが、実践する人は少ないかもしれません。前項で触れたように、人それぞれ心の状態や善意を送るタイミングが異なりますし、実践しない人もいると予想されるからです。ですが、もし確実にペイフォワードが実践された時、何日で世界中に広がると思いますか?
1年でしょうか?3年くらいはかかるでしょうか?
電卓をたたくと最初は3です。
出てきた数字に3を掛けていき、10回たたくと59049になります。
15回目で1400万を超え、21回目100億以上となり、世界人口を上回ります。
つまり、たった21日で全世界に広がるんです。
21日後にどこかの国の戦争が終わるかもしれないし、1人の子供の命が救われるかもしれない。可能性は0ではありません。
これは、数学的な計算によるものですが、想像するだけでワクワクしませんか?
人々の善意が世の中を変える
ペイフォワードは、やさしい世の中を目指して善意の輪を広げるアイディアです。実際に行動に移したら、どんな広がりを見せるのか…どんな世の中になるのか…
その瞬間を、見てみたいと思いませんか?この世の中も現代人も捨てたもんじゃない…と気持ちがあたたかくなるかもしれません。自分のタイミングで構いません。周りにいる誰かに優しさを送ってください。それがやがて大きな波となり、世界を変えるかもしれません。私たちの手で、愛に満ちた未来を創造していきましょう。
そしていつか、各国のトップたちをペイフォワードに巻き込みたいですね。